犬の血液型は無限にある?知っておきたい犬と人の血液の違いを解説
2026/10/16

血液のおもな役割は、全身に酸素や栄養を届け、不要な老廃物を回収すること。その成分は人と共通しており、酸素を運ぶ「赤血球」、細菌やウイルスと戦う「白血球」、出血を止める「血小板」、これらを循環させる液体成分の「血漿(けっしょう)」で構成されています。血液はまさに体内を巡るインフラのような存在。ただし、人と犬では体格や代謝、体温調節の仕組みが異なるため、同じ刺激を受けても体への影響のあらわれ方は変わってきます。
犬は体が小さい分、ほんの少しの刺激が赤血球を刺激する

犬の血液の仕組みは人と同様ですが、体が小さいため、特定の食品などに含まれる成分から影響を強く受けます。その代表例が赤血球。わずかな刺激で赤血球が破壊されると、全身に酸素を運べなくなり貧血を引き起こします。だからこそ日ごろの注意が重要です。
犬には犬ならではの血液型が無数に存在する!

人の血液型はABO式が知られていますが、犬の血液型はDEA式と呼ばれ、赤血球の表面に存在する抗原によって型が決まります。DEA1〜8型といった複数の抗原と陽性・陰性の組み合わせパターンがあり、理論上は無数に存在すると考えられています。
人よりも犬のほうが心拍数は少し速い

とくに小型犬は1回の拍動で送り出せる血液量が少ないため、そのぶん回数を増やして全身へ血液を届けています。ただし、心拍数が速い(速く血液を循環させている)からといって、病気が進行しやすかったり寿命が縮まったりするわけではありません。
犬の生理(ヒート)は「これから妊娠できる」サイン

人の生理は「妊娠しなかった」サインで、子宮内膜が血液とともにはがれる現象ですが、犬の生理は子宮の血管が充血し、内側から血液がにじみ出る「これから妊娠できる」サインです。人には閉経という現象があるのに対して、犬では高齢になっても閉経せず、生理が続くことがあります。
心臓と足先が近いため、犬は人のような血流トラブルは起きにくい

直立二足歩行をする人は、重力の影響でどうしても下半身に血液が滞りやすく、むくみや静脈瘤などのトラブルが起こりがちです。一方、心臓と足先が近い四足歩行の犬(とくに小型犬)には、基本的にむくみはありません。犬にむくみが生じている場合は、心臓病、腎臓病の末期、消化器疾患など、重篤な病気のサインであることがほとんどです。
血の異常は目に見えにくいからこそ、日ごろの観察と定期健診が大切です。愛犬の健康な状態を知っておき、気になることがあれば気軽に相談できる獣医師との関係を築いておきましょう。
お話を伺った先生/ 角山優輔先生(麻布大学小動物内科学研究室の大学院生として、血液疾患の病態解明および新規治療法の確立に向けた研究に従事。臨床病理学を得意とし、血液疾患における診断・治療技術の向上に強い情熱を注ぐ。血液疾患をコア領域としながらも、消化器、腎・泌尿器、内分泌疾患に至るまで、病態の本質を徹底的に追究する姿勢を大切にしている)
参考/「いぬのきもち」2026年9月号『人と似ているようで違うから知ってほしい 血のひみつ』
文/いぬのきもちWeb編集室
Photo by Getty Images
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