途上与信とは何ですか?クレジットカードに潜む思わぬトラップ

途上与信という言葉なんて聞いたこともないという人も少なくないでしょう。それどころか、与信という言葉さえ知らなくても、それほど珍しいとは思いません。

与信というのはクレジット、つまり「信用」を与えるという意味で、これは融資や掛払い、クレジットカードの発行などの際に使われる言葉です。いわば業界用語ですね。

楽天カードの途上与信が厳しいと言われる理由

世間の噂レベルですが、楽天カードは入会審査は激甘だが途上与信が激辛で、クレジットカードが発行されてもすぐに強制解約になる人が多いと言われています。

実際にそうであるかどうかはわかりません。楽天グループは非常に人気が高いため、ネット上ではいわゆる「アンチ」が蔓延っていて、良くない噂を流しているとみられるケースも多いからです。

途上与信とはクレジットカード発行後に行われる審査

クレジットカードを申し込むと審査が行われます。クレジットカードの申込みのサイトや申し込み説明書には、必ず「審査の結果ご希望に添えないこともあります」と注意書きがされていますね。

これは、信用状態の良くない人にクレジットカードを発行してしまうと、踏み倒されてカード会社が損をしてしまう可能性があるからです。

途上与信を厳しくするのもカード会社の経営戦略

カード会社にしてみれば、クレジットカードを申し込んできた人の信用状態を厳しく審査して、安全だと考えられる人だけを顧客として迎え入れるのは、安全性を重視した方法です。

しかし、そこにこだわりすぎると、見込み客をみすみす切り捨てているということにもなりかねません。楽天のようなIT系の成長株で、かつ流通系の会社の場合、ひとりでも多くの会員を集めたいと考えるのは自然でしょう。

そこで、入会審査を甘くして、指定信用情報機関に事故情報さえなければ、かなり多くの人を会員として迎え入れるという方法を取っていると思われます。

そして、最初のクレジットカードの有効期間を短めに設定すると同時に、必要に応じて入会半年後くらいには、指定信用情報機関に情報を照会して、他社での支払状況などを調べます。この「契約後の審査」のことを途上与信と言います。

自社に対する支払いは特に調べなくても、支払い遅れがあれば自動的にリストされますから、途上与信と言うほどのものでもありません。

しかし、入会後すぐに支払いが遅れるような人は、どのカードでもすぐに強制解約されてしまうでしょう。

また、自社の支払いに問題がなくても、他社の情報を見て未入金などのデータが見つかれば、これも簡単に解約されてしまうと考えて良いと思います。

このようにすることで、厳しい入会審査なら顧客として迎えられない人を、実際にクレジットカードを使ってもらうことで、信用できると判断することが可能になるというわけです。

流通系カードは途上与信で解約になりやすい可能性はある

流通系カードとは、大手スーパーや百貨店など大型小売店や、リアル店舗でもインターネット通販でも、ショッピングモールと呼ばれるものが母体となって発行されているクレジットカードです。

こうしたクレジットカードは、系列店での利用でポイントサービスや値引率を優遇することで、お客さんの来店動機につなげるということを狙っています。

そのため、上で例示した楽天カードに限らず、流通系クレジットカードは入会審査が甘めになっていると言われています。もちろん、カード会社がそんなことを公表するわけもないので、あくまで噂レベルです。

一方、クレジットカードの利用に関しては、どのカード会社であっても同じレベルでリスクを避けるであろうことは誰にでもわかりますよね。

そうなってくると、どうしても入会審査の甘い会社では、途上与信を細かく行う必要が出てきます。ですから、上の話題に出した楽天カードも、特に途上与信が厳しいというわけではないのでしょう。

おそらくなら、途上与信をこまめに行っているだけだと思います。その結果、甘い入会審査で入ってきた人の中に、途上与信で引っかかる人が多くなっていると言う現象が発生するわけです。

想像ですが、楽天カードの途上与信で引っかかる人は、入会審査が厳しいと言われる銀行系クレジットカードなら、最初から入会段階で断られていた可能性が高いのではないでしょうか。

途上与信はクレジットカードの更新時にはたいてい行われる

どのクレジットカードにも有効期限が設定されています。有効期限の目的は、まずカードそのものの状態を良好に保っておくためのものだと思いますが、更新の折に途上与信を行うというのも大きな目的の一つでしょう。

ですから、クレジットカードの支払などに問題を起こしたことのある人は、最悪の場合クレジットカードが更新されないということもあり得るのです。

途上与信では指定信用情報機関に登録された情報をチェックする

ほとんどの場合、途上与信において契約者が何かをしなければならないということはありません。カード会社が指定信用情報機関に登録されている情報を参照し、信用状態に変化がないかをチェックするだけのことが多いです。

その中で、クレジットカードの更新が拒否されたり、利用停止や強制解約になったりする原因のほとんどが、利用料金の支払トラブルによるものです。

ほぼ確実にクレジットカードが使えなくなるのは、次のようなことを契約中のどこか一社に対してでも行ってしまった場合です。

  • 61日または3か月以上の延滞
  • 自己破産の申し立て
  • 個人再生の申し立て
  • 任意整理の開始
  • 連絡不能状態になる

自己破産や個人再生については法的整理の開始情報として、長期延滞などは異動(事故)情報として、3社ある個人用の指定信用情報機関に共有されます。

この情報はクレジットカードだけでなく、消費者金融の消費者ローンや、銀行のカードローン、場合によっては住宅ローンや教育ローンにまで悪影響が出かねません。

クレジットカード会社だけが見られる情報もある

株式会社シーアイシー(CIC)はクレジットカード系の指定信用情報機関で、主にクレジットカード会社が契約しています。

ここの信用情報には、毎月の支払状況が細かく記載され、長期でなく1日でも支払いが遅れると、その情報が記載される欄も存在しています。

もちろん数日支払いが遅れたからと言って、すぐに強制解約に至ることはないでしょう。

しかし、毎月のように遅れているとか、年に数回は遅れているということが見えると、他の状況と合わせて不利に判断されることもあります。

この情報は、直近2年間について見ることができるようになっていますから、万が一、うっかり口座残高が足りないという状況を作ってしまった場合、最低2年間は絶対それが起こらないようにして下さい。

全記録の中で1回だけなら、たまたま起こったうっかりミスと考えてもらえる可能性もあります。

なお、最近出てきた「クレジットカードで家賃が払えるマンション」とか「保証人不要のマンション」などは、クレジットカード会社が保証会社になっていることがあります。

そうした場合、クレジットカードの支払にトラブルが多いと、賃貸契約を更新してもらえなくなる可能性もあるので注意して下さいね。

キャッシングの利用で最低3ヶ月に1回途上与信が行われる

クレジットカードにキャッシング枠が付いていて、それを利用していると、残債がある間は3か月に1回途上与信が行われることになっています。また、追加で利用した月には、必ず途上与信が行われます。

ショッピング枠の利用よりも、厳しいペースで途上与信が行われますから、くれぐれも支払い遅れなどがないように注意しておいて下さい。

ショッピング枠の途上与信はカード会社の方針でペースが決まる

キャッシング枠の利用と途上与信については、カード会社に義務付けられていますから、どのカードでも同じように行われているでしょう。もしかすると、毎月行うことにしている会社があるかもしれませんが、それはわかりません。

それに対して、ショッピング枠だけの契約者に対する途上与信は、各カード会社ごとの自主ルールで行われているのが実情です。ですから、カードの更新時期にしか途上与信を行わない会社もあれば、思うより頻繁に行っている会社もあります。

楽天カードの場合は、有効期限が訪れて、新しいカードを発行する前には必ず途上与信を行うと公言しています。また、何らかの事情でカードを再製・再発行する際にも途上与信を行うそうです。
おそらくなら、毎月の支払いが遅れた時など、信用状況に変化があるかもしれないと判断された時にも行っているでしょう。
もちろん、これは楽天カードに限った話ではなく、全てのカード会社は、自社ルールでチェックしているはずです。

信用状況に疑問があれば書類の提出を求められるかも知れない

あまり起こらない例だとは思いますが、例えばクレジットカードの契約を行ってから転職をして、そのことをカード会社に届けていなかったとします。

毎月の支払いに一切の遅れがなかった場合には、特に問題になることはないと思いますが、あまり頻繁に遅れるようであれば、所得を証明する書類や、会社に在籍している確認書類の提出を求められるかもしれません。

また、転職後に他のクレジットカードを申し込むと、指定信用情報機関には、そのクレジットカード発行元からの情報として転職後の勤務先が登録されます。

支払い遅れが頻発するなどして指定信用情報機関に照会したところ、自社への登録とは異なる勤務先が登録されていたりすると、やはり所得や在籍を証明する書類などが求められるかも知れません。

そうした連絡が来たら、一番早く提出できる書類を選んですぐに対応しましょう。対応が遅れると、場合によってはカードの利用停止などもありえます。

基本的には毎月利用して毎月遅れずに支払うだけでいい

こうして説明すると、「しょっちゅう審査されているのか」と不安になるかもしれませんね。しかし、心配する必要はありません。

契約している全てのクレジットカードやカードローンなどの支払いを、正常に行っていれば良いのです。

支払いの約定日の前日までに、必要な金額に少し余裕を持たせて口座においておくよう心がけて下さい。それだけで、ほとんどの途上与信は怖いものではなくなります。

一年に最低一度はクレジットカードを利用した方がいい

カードの有効期限が切れる時、直近2年間に一度もそのカードが利用されていなかった場合、クレジットカードの更新を拒否されるケースはあります。

これは途上与信というより、社内データの調査でわかることですね。この形でクレジットカードが更新されなかったとしても、長期間利用していないのだから、残債はなく信用情報には「完了」とだけ記載されます。

しかし、毎月の入金状況を見てみれば、利用がなかったから入金もないと言うことが明らかです。これはあまりいい情報ではありませんね。

また一部のカードでは、判定日の過去一年に、一回でもカードを利用していたら年会費無料というサービスを行っているケースもあります。

ですから、持っているカード全てについて、最低でも年に一回は利用して支払いも行っておくのが良いです。もちろん、少額でも毎月使って毎月払うのが、途上与信においてもベストだと言えるでしょう。

※ 掲載の情報は2019年7月現在のものです。

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