支払い停止ができないケースもある!クレジット払いのトラブル

クレジットカードを使って買い物をしたりサービスを申し込んだりした時に、商品に問題があったりサービスを受けられなかったりした場合、クレジットカードの支払いを停止できると言う話を聞いたことがあると思います。

そんなことは当然だと思うかも知れませんが、実は法的に支払い停止が認められるためには条件があります。意外に支払い停止は難しい時があるのです。

本来は加盟店と利用者の間で解決するべき問題と言う認識

クレジットカード払いの場合、実際の買い物やサービスの申し込み時点と、お金を支払う時点の間に1~2か月ほどのずれがあります。ですから、問題が発生した時に支払いを停止したいと言う考えが浮かぶわけです。

しかし、もしこれが現金払いだったらどうでしょう。

現金一括払いだった場合には、そのお金を返せと言う交渉を売り手側と直接しなければいけませんね。クレジットカードの支払い停止は、それとよく似ているのです。

割賦販売法が消費者を保護するために機能する

割賦販売法では、以下のような場合に「支払停止等の抗弁権」を行使できるとしています。しかも、消費者保護の観点から、できるだけ広く適用するように、監督官庁である経済産業省が指導しているようですね。

  • 商品が引き渡されなかったり、サービスが提供されなかったりした場合
  • 商品に欠陥があった場合
  • サービスの提供内容に問題があった場合
  • 見本やカタログと商品が違ったり、提供されるサービスが異なったりした場合
  • 商品を買った時に提供されるはずのサービスが提供されなかった場合
  • その他、契約の内容に問題があった場合

このような内容に該当する場合で、あとでお話しする「行使できない場合」に当てはまらなければ、書面でクレジットカード会社に申し出ることで、支払いを停止できる場合があります。

ただし、支払が停止できるとなった場合であっても、手続きに要する時間の関係で、自動引き落としの停止が間に合わず、引き落としが行われることもあります。

これはあとから清算してもらえますから、必ず支払いは行っておいて下さい。勝手な判断で預金口座に残高を残さなかったりすると、自分の信用に瑕がつきます。

問題のある契約内容とは何か

これは、例えば訪問販売で契約した場合に、クーリングオフに応じないと言ったケースが考えられます。一般の訪問販売では8日間ですが、特商法に定めがある場合は20日間になります。

連鎖販売(いわゆるマルチ商法)や、業務提供誘引販売(いわゆる資格商法など)の場合は20日間のクーリングオフ期間があります。

また、未成年者が行った契約に対して、親権者が解約を申し入れたのに受け入れないとか、嘘や脅迫・詐欺的行為で契約を結ばせた場合なども対象になるでしょう。

個別の案件については、カード会社に相談して下さい。

翌月一括払いは支払い停止ができないので注意

支払い停止が使えないケースにもいろいろありますが、その中でカード利用者にとって一番ショッキングなのは、「翌月一括払いには使えない」と言うことでしょう。

この規定を決めているのは、先にお話ししたように「割賦販売法」です。つまり分割払いなどを監督するための法律なのです。

クレジットカードには、法的に定められた利用枠と、カード会社が独自に決めている利用枠があることは、他の記事でもお話ししています。

キャッシング枠は貸金業法によって、翌月一括払い以外のショッピング枠については割賦販売法によって、収入から導かれる一定の金額以下しか設定できなくなっています。

それに対して翌月一括払いのショッピング枠については、法的な規制はありません。それと同じで、割賦販売法が定める「支払停止等の抗弁権の行使」は、翌月一括払いには適用されないのです。

他にも支払い停止が使えない場合が存在しているので注意

まず、商品やサービスの購入が、営業行為のための物である時です。つまり、仕事用の商品を買ったりサービスを受けたりした場合には、支払い停止を行うことはできません。

ただし、いわゆるマルチ商法や資格商法(資格を取ったら仕事を依頼すると言った形式のもの)などの場合は、支払い停止が可能です。

また、商品価格に分割払い手数料を加えた金額が4万円未満の場合や、リボルビング払いの際の商品価格が3万8千円未満の場合には、割賦販売法に定める金額に達しませんから支払い停止はできません。

そして、その支払い停止の申し出が、社会通念上「信義に反する」とされるような場合にも拒否される可能性はあります。

支払い停止ができなくても直接交渉はできる

もともとクレジットカードの支払い停止については、取引において第三者であるカード会社への支払いを停止すると言う考え方なので、翌月一括払いの場合はダメと言った一定の条件は必要になります。

しかし、そもそも販売者側が商品・サービスをきちんと提供しなかったことが発端なのですから、カード会社に支払い停止を求めるのではなく、直接交渉して返金させることは可能です。

金額が大きくて、なおかつ交渉が難航するようであれば、弁護士さんなどに入ってもらって交渉してみるのも悪くありません。あるいはこうしたケースを専門に扱っている行政書士さんに相談してみても良いでしょう。

各都道府県の弁護士会が行っている法律相談(有料)や、インターネット上でメール相談を受け付けている行政書士さんに相談してみて下さい。

一方、業者が連絡不能になってしまっているような場合には、カード会社にその旨を伝えると同時に、警察に相談して下さい。支払い停止はできないまでも、何らかの対応が期待できる可能性はあります。

支払い停止の手続きはカード会社に書面で申し入れる

カード会社は、こうした事態に備えて支払い停止の申し入れ書式を準備しています。ネット上で入手できる場合もありますが、電話で申し込んで自宅に郵送してもらうと言う方法が一般的です。

その際に、支払い停止が受け付けられる事由に相当するかどうかを相談することもできます。また、用紙の郵送を依頼することで、カード会社の側に受け入れの準備をしてもらうこともできるでしょう。

用紙を受け取ったら必要事項を書いてカード会社に送る

専用のフォーマットは、カード会社の支店や営業所が身近にある場合は、そこに出向いて受け取ることも可能ですし、そこで相談に乗ってもらうこともできます。その場合でも、事前に電話予約した方が良いと思います。
その用紙には、自分の住所氏名などの個人情報とカード番号、連絡先を書くのは当然ですが、支払い停止を申し入れるに至った経緯を、可能な限り詳しく書いて下さい。

カード会社は、事前に加盟店側と直接交渉するように勧めていますが、交渉できなかったり、連絡が付かなかったりと言う場合には、そのことを書いておくだけでも良いです。

フォーマットには、該当するところに〇をつける形式の部分が多いですが、自由記入欄もけっこうあります。その場合、手書きが面倒であればパソコンで文書を作成して印刷し、添付してもOKです。

もともと自由記入欄はそれほど広くないので、詳細な文章を添付したほうが説得力があるかも知れませんね。

書類は特定記録か簡易書留で送っておく

手間をかけて作った書類が不着になったりしないよう、特定記録郵便か簡易書留郵便でカード会社に送りましょう。少し余分のお金がかかりますが、数百円ですので保険だと思ってください。

また、送る前にはコピーを取って、自分用の控えとして一部持っておいて下さい。カード会社から電話連絡があった時には、それを見ながら話をすることが大事です。

もちろん、事前に電話予約してカード会社の窓口に持参し、その際に面談して説明すると言うのもOKですよ。

翌月一括払いの場合にはチャージバックを求める

チャージバックと言うのは法律に定められた手続きではありませんから、クレジットカード会社の判断によるところが大きくなります。

ですので、行政書士さんや弁護士さんに手続きを依頼することになるわけですが、その費用もバカになりませんから、ある程度大きな金額の被害の時にしか使えません。

チャージバックはなかなか難しい面がある

チャージバック自体は、その名前が示す通り、すでに支払ったお金の返金を求める手続きです。つまり、申し入れから決着するまでに時間がかかることが考えられます。

この流れでは、本来であれば商品やサービスに問題があって、そのことを販売を行った会社に申し入れ、向こうからクレジットカードへの請求をキャンセルさせればいいわけです。

しかし、そうした悪徳商法じみた商売を行うようなところは、まずキャンセルには応じません。そこで、クレジットカード会社からキャンセルしてもらうと言う方法なのです。

とは言う物の、カード会社はそのカード利用のもとになった取引が正当でなかったと言うことを、利用者側から完全に証明されなければ、簡単にはキャンセルしてくれません。カード会社の信用にかかわりますからね。

チャージバックは内容証明郵便で申し入れる

そこで、カードを使った取引が、いかに違法性の高いものであり、消費者保護の趣旨から外れるものであるかを内容証明郵便で強く主張しなければなりません。

そして、その書類はカード会社と、相手の販売会社に送ることになります。また、カード会社に確認して、その販売会社が正規の加盟店なのか、どこかの決済代行会社を通じての取引なのかを確認します。

決済代行会社が入っている場合には、そこにも内容証明郵便を送ることになります。

このようにして、関係先全部に内容証明を送り、事実関係を明らかにした上でチャージバックを要求することになります。

実際にチャージバックが可能かどうかは、カード会社から決済代行会社に、決済代行会社から販売会社に支払いが行われる前か後かでも変わってくるでしょう。

ですので、そうしたトラブルがあったら一刻も早く対応することが大切なのです。

カードの不正利用に対して支払い停止を申し入れるケースもある

クレジットカードの利用明細を確認したら、全く覚えのない利用が記録されていた場合、これは不正利用である可能性があります。

そうした場合には、まず電話ですぐにカード会社に連絡します。カードの紛失盗難窓口は365日24時間対応ですので、そこに申し入れれば良いでしょう。

不正利用と認められないケースもある

電話での申し入れは、利用明細を見ながら、どの請求が異常なのかを正確に伝えて下さい。この場合、不正利用であると認められれば、支払い停止を申し入れるまでもなく、請求から削除してくれます。

悪意の第三者による不正利用ではないとされるケースには次のようなものがあります。

・正しい暗証番号が入力された取引
・カード利用で購入された商品などが契約者の住所に届けられていた場合
・契約者や家族が使っているIPアドレスから発信された利用契約

つまり、暗証番号の管理が悪かったり、カードを家族が勝手に使ったりと言うケースは、契約者の責任になり、支払い停止ができないと言うことです。注意して下さいね。

※ 掲載の情報は2019年7月現在のものです。

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