デビットカードのスマートな使いかた。口座残高に余力を持たせる

勧められるままにデビットカードを作ったけど、どんなふうに使ったら良いのかわからない人はいませんか。あるいはキャッシュカードで買い物できると聞いたんだけど、どう使ったらいいのかを知りたいとか。

東京オリンピック 2020 をひかえて、世の中キャッシュレスブームですが、新しいアイテムを導入しなくても、キャッシュレスアイテムを手元に眠らせている人って意外に多いんですよ。

デビットカードはプリペイドカードではない

デビットカードについては、あまり有名ではないせいか、知っている人でも誤解されていることが意外に多いんです。

特に名前とバリュー(カードで使えるお金)の預託に関することは誤解が多いようです。

まずは名前から。デビッドではありません

デビッドカードというのは、発明した人の名前ですか。
違います。そもそもデビッドではなく「デビット」です。「ト」に濁点は付きません。

デビット( debit )というのは会計用語で「借方」のことを言います。そして借方に対応する「貸方」のことはクレジットというのです。

簿記をする人ならおわかりだと思いますが、借方・貸方とはお金の貸借のことではなく、現在では単純に複式簿記の「左側・右側」と言う程度の意味になっています。

あるいは少し踏み込んで、デビット=資産・クレジット=負債と言ってもいいでしょう。このことから、同じような使い方ができるけれど、クレジットカードとは正反対の意味を持つことがなんとなく伝わってくるかも知れませんね。

先にお金の準備は必要だがチャージするわけではない

デビットカードは自分の預金残高を支払いに使えるカードです。ところが「先にお金を入れておく」と言う表現を勘違いして、カードにお金をチャージしておくと思っている人がいるようです。

デビットカードというのは「銀行口座に対して支払い指示を出すためのカード」なのです。ですので、口座にお金が入っていればカードにチャージする必要はありませんし、そもそもチャージできません。

プリペイドカードやプリペイド式電子マネーは、カードそのものにチャージ金額分の値打ちがあります。根本的に異なるのです。もちろん、カードに金額データが蓄積されているわけではありませんが、運用上「現金と同じ」とされています。

デビットカード プリペイド
チャージ 不要 必要
上限額 原理的には無制限 カードごとに異なる
国内ATM 利用可能
(キャッシュカード一体型)
利用不可
海外ATM 利用可能 利用可能なものもある
残高のカード利用
以外での支払い
可能 不可能

つまり、デビットカードは預金口座にあるお金をカード支払いに利用できて、そのお金はキャッシュカードで引き出しても問題ないのです。

さらに、銀行ごとにセキュリティ確保のため利用限度額を設けていることもありますが、原則として口座残高までは使えます。また、デビットカードを発行した銀行口座のお金は、毎月の支払いなどの銀行引き落とし用に設定することもできます。

デビットカードは加盟店で暗証番号を使って利用するもの

デビットカードは、クレジットカードや電子マネーなどと同じように、そのカードが使える加盟店で提示して支払い用に使うことができます。

カードの種類によって、少し使い方が異なる場合もありますので、自分のカードについてよく知っておいて下さい。

加盟店かどうかはアクセプタンスマークの表示を見て判断する

デビットカードには国際ブランドが付いているものと、付いていないものがあるんですよね。付いていないものの加盟店はどうやって見つければ良いんですか。
付いていないものは、銀行キャッシュカードがそのまま支払いに使える J-Debit です。これにも専用のマークがありますからそれを見つければOKです。

J-Debit は、日本国内でしか使えませんので、海外で利用したい場合は国際ブランドデビットが必要になります。国際ブランドデビットは申し込まないとカードが発行されません。

また、国際ブランドデビットはキャッシュカード機能を持ったものと、デビットカード専用のものがありますので申し込む時に注意しておきましょう。

海外で使える国際ブランドデビットは、一部の例外を除いて同じマークのクレジットカードが使えるお店で利用できます。

上の関連リンク先では、国際ブランドは VISA・JCB・銀聯 UnionPay だけと紹介していますが、2019 年 4 月 1 日からは、住信 SBI ネット銀行によってマスターカード・デビットも発行されるようになります。

使えないブランドを提示するとエラーが出てしまう

日本国内では、「クレジットカードが使える」と言うお店では、5大国際ブランドが全部使えることが大変多いので、アクセプタンス(受け入れ)マークのブランドマークをよく確認しない人も多いようです。

しかし、お店によっては使えるカードブランドを限定しているところもありますから、必ず自分のカードが使えるかどうかを確認しましょうね。

また、それだけではなく一回払い以外の支払い方法を選択すると、エラーが出てカードの利用が拒否されます。デビットカードには、一回払い以外の支払い方法は存在しません。

デビットカードは一歩進んだカード支払い

日本で発行されている国際ブランドデビットは、全て券面にエンボス加工(文字を浮き上がらせる加工)が施されていない、エンボスレスカードが採用されています。

クレジットカードの決済方法には次のようなものがあります。

  • 複写式伝票に情報を記入してサインで決済するもの
  • 磁気ストライプから伝票に情報が表示され、サインまたは暗証番号で決済するもの
  • ICチップで処理を行い、暗証番号で決済を行うもの
  • 非接触通信でICチップとの情報交換を行い暗証番号で決済を行うもの
  • 少額決済で複写式以外の方法ではサインや暗証番号なしでも決済可能
一方、クレジットカードの国際ブランドを使ったデビットカードではエンボスがないため複写式伝票は使えません。つまり最も旧式でアナログな決済は不可能で、全て電子決済になるということです。

さらに、J-Debit では、磁気ストライプの場合でも必ず暗証番号が必要です。少額でも暗証番号なしの取引はできません。

J-Debit のほうがセキュリティは優れていますが、普段遣いには非接触通信で暗証番号を使わない PIN レス決済が、電子マネーなどと同じ使い勝手で便利ですね。

デビットカードで賢く家計管理

デビットカードを利用して支払ったものは、通帳に内容が記載されます。ネット通帳にしておけば利用店舗情報も通帳に記載されるので便利ですね。

また、デビットカードもカード支払いですからお釣りが出ません。つまりレジで小銭を探してモタモタしてしまうこともないのです。

デビットカードの得意分野は少額・日常・多数回

デビットカードもキャッシュレス決済の一つですが、特に優れた要素にはどんなものがあるのでしょう。
使ったその場で口座から引き落とされるので、現金感覚の安心感と、現金感覚なのにお釣りが出ず、そのまま口座に残ってくれることですね。

デビットカード自体は口座残高に応じていくらでも利用できるものですが、セキュリティのことを考えた場合、日額10万円以下くらいに抑えておいた方が安全です。

一方、コンビニなどで使う場合には数千円、あるいは数百円レベルでしょうから、サインレス決済(暗証番号なし決済)が使えます。コンタクトレスカードなら電子マネーと同じように、かざすだけで支払いが終わります。

  • コンタクトレスカードならかざすだけ
  • 少額支払いなら暗証番号不要の店もある
  • 利用履歴が通帳に記載される
  • お釣りが出ないので口座にお金が残る
  • 国際ブランドデビットなら海外でも使える
  • 15~16 歳以上になれば持てる
  • 原則として無審査

こうした特長を活用して、生活に役立てて下さい。

口座残高に余裕を持たせてストレスのないカード利用を

クレジットスコアで信用度合いを測るアメリカ式では、クレジットカードの与信枠の 20% 程度が毎月の利用額上限として理想的だとも言われます。実際にその程度の利用にとどめておくと、何かの事情でまとまった支払いが必要な時にも安心です。

クレジットは支払日まで最長 2 か月程度ありますから、即時決済のデビットカードではそんな大きな余裕は必要ありません。仮に毎月給料日に、前月使った分をデビットカードの口座に移して、給料日直後には残高が20万円になるように補充していたとしましょう。

その場合、20万円の50%にあたる10万円を毎月の利用額上限として、自分で設定しておくのがお勧めです。そうすれば常に余裕を持ったカード利用ができますね。

堅実さを取るならデビットカードはお勧めの手段

キャッシュレス支払いが何かと話題になりますが、ポイントバック・キャッシュバックなどの目先のお得さを追求するならデビットカードは不向きです。今のところ消費税アップに対応するためのポイントバックにはどこの銀行も手を上げていません。

一方で、そうした目先の小銭より、確実にコントロールできる安全性を骨格にした家計管理を目指すなら、デビットカードは非常に利用価値の高いものだと言えます。

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