家族が亡くなった。死亡した人のクレジットカードはどうする?

不幸にして家族が亡くなってしまった場合、その遺産の一つであるクレジットカードはどのように処理したらいいのでしょうか。

家族の不幸という忙しい時ではありますが、適切な手続きを忘れないようにしないと、思わぬ負債を背負ってしまうことになりかねません。

相続財産が多い場合はあまり気にしなくても良い

亡くなった人が多くの財産を遺してくれた場合には、それほど気にする必要はありません。支払わないといけないお金を、その財産の中から支払って、残った財産を相続人で分配すればいいだけです。

事前に相続人全員で集まって、誰が手続きを行うかなどの話し合いを持った上で、その内容を文書にまとめて、全員から署名捺印を貰っておいてください。

クレジットカード会社へは死亡した本人の口座凍結前に連絡

亡くなった人の財産については、特に調べなくてもある程度は推定できると思います。まず、クレジットカードを持っていたかどうかをチェックしないといけません。

財布の中に有効期限の切れていないクレジットカードが入っていた場合、今度は預金通帳をチェックして、カード会社からの引き落としがあるかどうかを見ます。

年配の人であった場合、実質的には持っていただけで、クレジットカードを使っていなかったということも考えられます。引き落としが行われた形跡がある場合は注意が必要です。

数百万円以上の単位で預金などが残っている場合には、支払いに充てるにはおそらく充分だと思われますから、まずクレジットカード会社に連絡して相続手続きが終わったら支払う旨を伝えてください。

もちろん、ブラックカードで毎月数百万円の豪遊をしていたような人であれば、ちょっと考えなければいけませんが、そのあたりはケースバイケースでお願いします。

銀行の口座は、本人が死亡したことがわかると凍結されて、正式な相続手続きが終わるまでお金を引き出せませんので注意して下さい。

現預金はできるだけ早く相続の手続きを終わらせた方が良い

例えば、タンス預金でたくさんのお金を残してくれていれば話は早いです。その金額を相続人全員で確認したあと、葬儀関連費用をそこから支払い、残ったお金でクレジットカードの残債を支払って、カードを解約すれば終了です。

本人の死後に関する費用の支払いが終わって残ったお金は相続財産になります。現金が足りない場合、預金について一行の預金だけでそうした費用が賄えるかどうかを確認し、必要なだけの預金の相続手続きを先行させましょう。

法定相続人と遺言書に指定された相続人全員の同意書を持って、相続人代表が相続手続きを銀行に対して行います。まず、相続税が免税範囲の場合を考えてみましょう。

この時必要なのは、まず死亡した本人の生まれてから死ぬまでの間の戸籍・除籍謄本全てです。戸籍の附票も必要です。

つまり、法定相続人が隠れていないかどうかを確認できる書類というわけですね。

そして、相続人たち全員の戸籍謄本も必要です。

その上で、相続財産の分配割合を決めた上で、合計相続財産から葬祭費や残債などを差し引いた金額を求め、それに乗じて具体的な金額を計算した同意書を作ります。

それを持って銀行に行き、相続手続きを行います。話し合いの上で相続人全員の口座に振り込んでもらってもいいですし、代表者の口座に振り込んでもらって支払いを行った後に分配してもいいです。

もちろん、株や債券などの相続がある場合は、それを金額換算する必要もありますし、不動産の相続がある場合はその相続の仕方によって内容が色々変わるでしょう。

さらに、相続税が発生するレベルであれば、あらかじめ相続税を申告支払いしてから、残った財産を分配することになるため、さらに時間がかかります。こうした申告は税理士さんに依頼する方が良いですね。

ある程度の相続税の支払いが出てくると、1~3年後には必ずと行っていいほど税務署から調査が入ります。この時、上手な税理士さんは、税理士さんと税務署の間の話し合いで処理してくれることもあります。

このレベルになってくると、クレジットカードの残債なんて、どうでもいいという感じになるかもしれませんね。

財産がマイナスになりそうであれば相続放棄をする

相続する財産が全く無いとか、相続する財産はあるけれど、それより負債のほうが大きいと言った場合には、法的な手続きを行って相続を放棄することができます。

また、特殊な例では負債を支払ってでも、相続財産を残したいという場合には、相続の限定承認という手続きもあります。

相続財産がないと言う場合には相続放棄をする

現預金がほとんどゼロに近いのに、ローンやクレジットカードの借金だけがあるということもありえます。若くして亡くなった場合などは、本人も不本意でしょうが、死んでしまっては返すこともできません。

そこで遺族が取りうる方法として相続放棄があります。

これは相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し立てることで行うことができます。

ただし、この相続放棄という手続きは意外に難しい問題をはらんでいます。例えば、自宅は借家であって、他に不動産を持っていなかったとしても、証券取引があった場合などです。

これの時価が意外に高くなっていたとしても、その取引があったことの確認を抜かしてしまうと、相続放棄によってそのお金も受け取れなくなります。

相続放棄とは、一切の相続を放棄することだからです。

逆に、所有物を売却するなどの行為があると、単純承認したとみなされて相続放棄が受け付けられなかったり取り消されたりすることもあります。

こうした失敗がないようにするには、少しお金がかかりますが、弁護士さんに相談する方が良いでしょう。でも、その経費よりクレジットカードの残債のほうが少なそうだと思ったら、単純承認して支払っておくほうが安上がりですね。

また、相続放棄はなくなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることになりますから、遠方の場合ちょっと大変かもしれませんね。

大事なものを残したい場合には相続の限定承認

支払うべきお金や、価値のある財産は遺されなかったけれど、思い出のある家財などを手元に残したいと言う場合には、相続の限定承認という手続きもあります。

例えば、クレジットカードの残債が30万円であったとして、一般的な財産価値が5万円の絵画が遺されていたとしましょう。

それが思い出の品でどうしても手元に置きたい場合は、自分の財布から5万円を支払って終わりにするというものです。

これも手続きが少し難しいので、弁護士さんなど専門家に相談した方がいいですが、単純に言うと、残された財産の価値分だけ負債も相続するというものです。

相続放棄は相続人が個別に行なえますが、限定承認は相続人全員が揃って申し立てる必要があるので、相続放棄より少し手続きが複雑になるでしょう。

相続放棄にせよ、限定承認にせよ、家庭裁判所が受理証明を発行してくれた段階で有効になりますから、少しでも早く動いたほうが良いですね。

現実にはクレジットカード会社からの連絡を待っても良い

葬儀やお役所への届け出や、一人暮らしだった人であった場合には身辺の整理もしてあげないといけませんから、遺族はとても忙しいです。

ですから、クレジットカードのことなんか、かまっている暇はないという状況になるかも知れません。ですので、1か月くらいは他のことを処理することに使っても良いかもしれません。

とにかく死亡した本人の財産状況をよく調べること

いちばん重要な情報源は、銀行の預金通帳です。そこには預貯金の金額だけでなく、クレジットカードやローンなどの支払い記録が残っています。また、証券などを持っていた場合、配当の振込が記録されている可能性もあります。

そうした内容をよく把握して、故人の財産・負債をしっかり見極めることが重要です。また、郵便物などを見れば、取引している金融機関なども判るでしょう。

そうこうしているうちに、カードの支払日がやってきて、銀行口座を凍結していなければ残高から引き落とされます。それはそれでOKですが、残高が足りなければ、カード会社から連絡が来るでしょう。

その時に、故人が亡くなったことを伝えても遅くはないと思います。もちろん、カード会社にしてみたら、早く連絡をもらえるに越したことはないでしょうが。

クレジットカード自体は相続できない

クレジットカード自体は、もともとカード会社の持ち物で、故人に貸与されていたものですから、死去に伴ってカード会社に返却しなければいけないものです。

カード自体の相続はできません。

逆に、カードの利用料金はカード会社に対する負債ですから、相続しなければいけない負の財産ということになります。もちろん、クレジットカード契約自体も契約者死亡に伴う解約ということで、契約そのものが終わります。

そして、それまでに溜まっていたポイントとか、得られるべきであった特典などはその段階で無効になります。こうした特典類も相続はできません。

おそらくポイントを支払いに充当するという特典があったとしても、それも使えないのではないかと思いますが、念のためカード会社に尋ねてみるのは良いと思います。

子供がいれば配偶者と子供が全てを相続する

さて、上でも少し出てきましたが、法定相続人というくくりがあって、クレジットカードの残債も、原則としてこの人たちが負担することになります。

一方、遺言書などで指定された法定相続人以外の人も、財産を相続する際には相続分に応じて負担することになります。あらかじめ全遺産から、負債を差し引いて分担するわけです。

妻と子供と両親には遺留分という枠があるので負担も発生する

遺留分というのは、遺産を受け取る権利のうち、遺言によっても犯すことができない取り分のことです。例えば1,000万円の遺産があって、1,000万円を別の人に遺贈するという公正証書が存在していたとしても、実際には500万円しか贈れません。

配偶者しかいなかった場合、全遺産の半分は遺留分として配偶者に保証されるため、遺贈できるのは全体の半分までです。子供がいる場合は配偶者に4分の1、子供の分として合計で4分の1ですから、やはり半分しか遺贈できません。

この場合に、20万円のクレジットカードの残債があったとして、配偶者と子供の合計で10万円を、遺贈を受けた人が10万円を負担しなければならないということになります。

法定相続人は兄弟姉妹まで

配偶者がいる場合、その人は文句なく相続人になります。そして、第1順位になる人は故人の子供です。その子供が先に死んでいる場合には、その人の子供や孫、つまり、この相続での被相続人の孫や曾孫ということになります。

第1順位の相続人がいない場合、直系尊属が第2順位の相続人になります。親が生きていれば親が、親がすでに亡くなっていても、祖父・祖母が存命であればその人達が相続人になります。

第2順位の相続人もいない場合には、兄弟姉妹が第3順位の相続人になります。

財産を相続するならクレジットカードの支払いも相続する

相続割合については、相続人同士の話し合いで決定することになりますが、話し合いがつかなかった場合には法定相続分という数字が示されています。

詳しいことは、弁護士さんや税理士さんにお願いした際にでも、詳しく相談してみて下さい。いずれにせよ、財産を相続するということは、クレジットカードの支払いも相続するということになるのです。

※ 掲載の情報は2019年7月現在のものです。

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