分割払いが利用できない?クレジットカードの使い方に注意

クレジットカードで、ある程度まとまった金額の買い物をした場合、店頭で回数指定分割払いを指定したり、リボルビング払いを選択したりすることがあります。
ところが、店頭で「分割払いは利用できないので、翌月一括払いにして下さい」と言われてしまうと困ります。なぜそんなことが起こるのか、どのように対応すればいいのかを見て行きましょう。

お店によって対応できない分割払いと言うものもある

分割払いには、翌月・翌々月2回分割払いと、回数指定分割払いの2パターンがあり、カード会社によっては翌月・翌々月2回分割払いを取り扱っていない場合があります。
また、翌月・翌々月2回分割払いをカード会社が取り扱っていても、加盟店の側が対応していないこともあるのです。ですから「2回分割」についてはあらかじめよく調べておかないといけません。

2回分割払いは手数料が必要ないので使えるとお得

2回分割払いを受け入れているお店の大半は物販店で、しかも比較的単価の高い商品を扱っているお店が多いです。
実は翌月・翌々月2回分割払いの場合、カード会社から加盟店への支払いも2回分割で行われるのです。カード会員からの入金を待って加盟店への支払いが行われるわけではなく、利用月と翌月の支払日に分割されるだけです。
ですから、仮にカード会員が延滞したとしても、加盟店への支払いが滞ることはないのですが、入金のタイミングが半分翌月に回ってしまうわけです。
つまり、カード会社は加盟店に対して支払い保証はするけれど、支払いタイミングは遅くなると言うことです。そうすることで、カード会社は金利負担をする必要がないので、カード会員にも手数料を請求しません。
そうなると、カード会員は手数料なしで2回払いにできるため、高額商品の購入動機が高まり、お店にとって商売につながりやすいと言うわけなのです。高額商品が売れると、カード会社も標準の手数料は受け取れるので儲かります。
ですので、この翌月・翌々月2回分割払いは、いわば三方一両「得」と言うわけですね。
しかし、このメリットはサービス業や飲食業において、お店のメリットがあまりありません。ですから、物販以外のお店ではあまり取り扱っていないのです。

回数指定分割払いはカード会社が手数料を受け取って支払い行う

3回以上の回数指定分割払いやリボルビング払いでは、カード会員がどのような分割パターンを指定してきても、加盟店には翌月一括払いと同じように支払いが行われます。
つまり、回数指定分割払いとリボルビング払いについては、分割契約はカード会員とカード会社の間でだけ成立するものなので、加盟店の取り扱いは関係ないのです。すべての加盟店において回数指定分割払いを指定できます。
同時に、カード会社には回収リスクが発生し、支払期間分の金利も発生しますから、回数指定分割払いやリボルビング払いを利用する場合には、カード会員が手数料を支払う必要が出てきます。
つまり、3回以上の回数指定分割払いやリボルビング払いが店頭で断られた場合には、カード読み取り機を通じて行われる信用照会で、カード会社の側から翌月一括払い以外の利用を拒否されたと言うことになります。

店頭で指定できなければあとから変更もできない可能性が高い

いわゆる「あとから分割」や「あとからリボ」があるので、店頭で受け入れないのであれば、一旦翌月一括払いで買っておいて、あとから変更しようと言うのは、決して行ってはいけない判断と行動です。
上でお話ししたように、店頭で断られるのは信用照会で拒否されたからに他なりません。しかし、翌月一括払いが可能だと言うことは、クレジットカード自体は有効なのです。
しかも、利用可能枠も残っていて、マンスリークリア(毎月清算)と呼ばれる方法であれば、問題なく使えると言うことですね。
結論から言うと、これは「与信枠のうち、翌月一括払い以外の枠を使い切ってしまっている」と言う状態なのです。ですから、あとから変更することも期待できないと言うことになるわけです。

クレジットカードの利用枠には3種類ある

クレジットカードの与信枠は、その利用内容に応じて区分されています。まず、買い物に使えるショッピング枠と、借金に使えるキャッシング枠です。
キャッシング枠はごく一部のカードを除いて、原則ゼロでも問題ありませんし、上限は法で定められています。ショッピング枠は与信枠そのものと同額であることが基本です。

ショッピング枠は2種類に区分されている

ショッピング枠は、一括払いの枠と、一括払いではない支払方法の枠です。一括払いの枠は与信枠そのものと同額であることがほとんどです。
一方、一括払いではない支払方法の枠は、法で定めがありますが、めったにこの枠がゼロになることはありません。

さて、ここで一度整理しておかないといけないのですが、与信枠とはそのクレジットカードを利用できる上限金額のことです。これをすべて翌月一括払いの支払い方法で利用してしまっても問題ありません。
しかしその場合、一括払いではない支払方法の枠やキャッシング枠の設定があっても、そちらを利用可能金額はゼロになってしまいます。
逆に、キャッシングや分割払いなどでクレジットカードを利用した場合、与信枠全体からその金額を差し引いたものが、翌月一括払いで利用できる枠になります。

つまり、利用中の各枠の組み合わせは自由ですが、合計が与信枠を超えることはできないと言うことです。

分割払いに使える枠はカードの与信枠とは異なることも多い

クレジットカードの限度額と言う言葉で表現される与信枠については、多くの人が良く把握していると思います。その金額の大きさを誇る人も、時々見かけますね。
もちろん、与信枠の大きさは、これまでの利用実績などを反映しているのですから誇っていいと思います。しかし、与信枠いっぱいまでお金を借りたり、分割払いが利用できたりするわけではないことを意識して下さい。
特に、与信枠が大きいカードほど、キャッシングや分割払いに使える枠との間に差が表れてきやすいのです。

法に定められる規制は計算方法が全く異なる

クレジットカードの3つの枠のうち、翌月一括払いについては、法律に規制がありません。これは収入に関係なく、翌月一括払いで大きな買い物をする人は、預貯金などの裏付けがあるだろうと言う発想から来ていると思います。
それに対して、キャッシングや分割払いの場合は、預貯金があればそちらから支払えばいいので、純粋に収入とのバランスでみた限度額を法律で定めているのです。

キャッシングは年収の3分の1まで

キャッシングについては、貸金業法と言う法律に、証明書類で確認できる年収の3分の1を上限とする規定があります。この金額は1社だけでなく、貸金業法で規制される業者全部からの借入残高と与信枠の合計です。
よく「総量規制」と言う言葉で表現される規制枠ですが、消費者金融から借り入れている分だけでなく、クレジットカードのキャッシング枠も、実際に借りているかどうかは別にして規制の対象になっています。
仮に年収450万円の人であれば、150万円がその上限になります。
もし、他のクレジットカードで80万円のキャッシング枠を持っていた場合、1円も借りていなくても、2枚目のカードで、キャッシング枠を設定できるのはあと70万円だけと言うことになります。

翌月一括払い以外のショッピング枠の計算は少し複雑

翌月一括払い以外の、回数指定分割払いやリボルビング払いに利用できる枠の計算は少し複雑になります。もちろんベースになるのは年収ですが、これについては特に証明書を必要としません。
理由は示されていませんが、おそらく多重債務に関する歯止めは、キャッシングの方でできているからなのではないかと思います。

カード会員から申告された年収に対して、カード会社は指定信用情報機関を通じて、カード会員が他のクレジットカードで利用している分割払いなどの支払額を調べます。そして、その1年分相当の金額を年収から引きます。
つまり、他のカード会社で分割払いに使っている金額は、収入にカウントできないと言うことですね。そして、次に生活費を計算します。
もちろん生活費は個人個人で異なりますから、人事院が発表している全国平均の標準生計費をもとに決定します。そこでは世帯人数と家賃負担や住宅ローンの有無で金額が示されています。
居住形態 家族1人 家族2人 家族3人 家族4人以上
住宅ローンなし かつ
家賃負担なし
90万円 136万円 169万円 200万円
住宅ローンあり または
家賃負担あり
116万円 177万円 209万円 240万円

このようになっています。そこて、上の例の人で見ると、家族4人で住宅ローンを支払っていたとしたら、年収450万円ですから240万円を引いて210万円になりますね。
もし他に分割払いやリボルビング払いを利用していなかった場合、この210万円の90%が分割払いやリボルビング払いに使える枠になります。具体的には189万円と言うことになりますね。

与信枠の大きいクレジットカードほどこの罠が待っている

自分のカードはゴールドカードの良いやつだから、与信枠が300万円あるので支払いで引っかかることはないなどと思い込んでいると、この罠にはまることになります。
上の例の通りだと、与信枠・翌月一括払い枠は300万円ですが、分割払い・リボルビング払い枠は189万円と、100万円以上少ないわけです。単発の分割払いだけならいざ知らず、リボルビング払いを使っていると、意外に枠を使い切っていることがあります。

分割払いやリボルビング払いが使えなかったらどうする?

一番に試してほしいのは、他に持っているカードで対応できないかどうかです。普段リボルビングや分割払いを利用していないカードでなら、支払いができる可能性があります。
それがだめなら、これはケースバイケースですが、高額商品を購入しようとして信用照会で引っかかった時は、その買い物をあきらめて下さい。もちろん翌月一括払いで購入することはできますが、支払いで苦労する心配が大きいです。
一方、多人数での食事や宿泊、リゾートなどの利用のように、後払いの支払いの時は、支払をしないわけにはいきません。ですので、翌月一括払いで支払いを行い、あとからカード会社のサービスデスクに連絡して相談して下さい。
どのような対応をしてもらえるかはわかりませんが、まず相談してみることが一番です。分割枠を増やしてもらえないか相談してみるのもアリだと思います。

分割枠とキャッシング枠の計算の違いはお役所的理由かも

先に紹介したそれぞれの枠の計算方法が、同じように法律に基づくものなのに、全然違うことに違和感を覚える人も多いでしょう。
これは想像ですが、貸金業法は金融庁が、割賦販売法は経済産業省が監督官庁であることによる、規制の方向性の違いじゃないかと思います。
いずれにせよ、カード会社の判断がそこに加わりますから、困った時にはカード会社に相談してみることを最優先で行いましょう。

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